第59問 半生を共に

実はここ何日かの間に悲しい別れがあった。 それが訪れてから私はずっと平気な気がしていた。正確に言えば、あまりにそれが唐突で、脳がその現実を受け入れられていなかったのであろう。何かが麻痺したように、漠然と時間が私の耳の横を流れていたのだと思う…

第58問 血

人間は何でできているのかと考えてみると、特に思いつくのは、血と骨と肉だと思う。 怪我をするとき、とりわけ私たちはこのことをよく感じる。普段肌に隠された血や肉や骨が痛み、自分の眼の前に現れるのだ。先日友達と話した時、自傷行動について語ることが…

第57問 肌と嘘

私は法学徒としていくつか法学の基礎たる理論の部分に対して違和感を持っている。最近ホッブズを読むけれど、ホッブズからロックを経てルソーに至る流れの中で一つの基調となるのは、いわゆる「社会契約論」というやつで私はこいつがどうしても1年2年前ぐら…

第56問 人を愛するということ

色々なことを見聞きしたので、すこし書こうかなと思った。あの人に読んでほしいけれど、今は無理そうか。 人を愛するというのは、どういうことなんだろうか。それは愛し合うということではない。あくまで自己本位な問題として捉えたい。 自分のことを深く理…

第55問 言葉が流れない

最近のとある政治家のニュース。 ICレコーダーが使われたそうだ。 SNSでの発言も今じゃスクリーンショットに保存されるし、消さないと消えない。 どこかにずっと残ってしまう。 これは写真が我々の目に焼き付いた光景と違うものを見せてくるように、我々の脳…

第54問 お前が嫌いだよ

人間にとって大切なものの優劣を考えてみると、一つの区分として人とものとことの三つに大別することができる。 今回はその「こと」に密着して物事を考えたい。 なぜこんなことをいきなり書き始めたかというと、今あるアイドルの結婚発表が物議を醸している…

第53問 過渡期

今の私ははっきり言って過渡期だ。爆発的に自分の中の何かが変わろうとしているのを感じる。獰猛な何かが蠢いている。人間に対する拒絶感がバカになっている感じである。器の口を無理やり広げられている。色んなものが自分の体の中に入り込んでくる。漠然と…

第52問 個別具体への諦念

大学生活が始まり、殊更に感じるのは人間というのは多様であるように見えるということだ。本当に千差万別というのは文字通りで、真実なように感じられる。ただ高校時代の彼や彼らが時に昔の面影を残し、時に踏み潰すのをこの目で耳で感じる時、その多様性と…

第51問 旅を終えて

一人旅を終えた。長いようで本当にあっという間だった。分かったことがある。それはある程度自分は成長してきているということである。幹が確実に太くなったのだという実感がした。浪人という一年がくれた、私へのプレゼントだろう。漫然に、何となくに、じ…

終わったら読みたい本

谷崎潤一郎 春琴抄島崎藤村 夜明け前安部公房 砂の女三島由紀夫 豊饒の海夏目漱石 明暗志賀直哉 暗夜行路二葉亭四迷 浮雲坪内逍遥 小説真髄谷崎潤一郎 細雪武田泰淳 富士中上健次 枯木灘大江健三郎 レインツリーを聴く女たちドストエフスキー 罪と罰マーガレ…

第50問 鶏と卵

有名な話。鶏とその卵はいったいどちらが先なのかという命題であるが、似たような話。12月は1月の前なのか。それとも11月の後なのか。これはとても難しい問題である。いや最近ひたすらに思うのは、自分は何者なのかということである。本名によって定義されて…

第49問 共感

最近思った、個人間で一番大切なものである。音楽も文芸もメールも会話もラインも授業も、共感はかけがえなく大切かもしれない。共感できればできるほど、その人はいつの間にか大切になってるし、できなければできないほどいつの間にか距離ができてしまう。…

第48問 ノルウェイの森

3ヶ月前ぐらいに書いた書評を捨てたいのでここに書いておく。 ノルウェイの森は現代的な小説として我々にとらえられ、村上春樹は現代的な作家として語られてきた。今日ノルウェイの森を読んだ私には確かに村上春樹の現代性をかんじられた。もしくは、近代性…

第47問 分かりやすい自己紹介

自己紹介は初対面の人と会った時に、自分が何者なのかを相手に簡潔にわかってもらうためにするものだ。でも、それは大概名前を言ったり、出身の学校を言ったりするだけで終わってしまう。もっとも分かりやすい自己紹介とはなんなのだろうか。 一つには、好き…

第46問 流行り

蚊帳の外から人間を客観視することが最近正しいこととして人々に受け入られていることに、私は素直に違和感を持つ。確かに学問をする上では必要不可欠なものの見方だけれど、それを日常生活の対人関係に持ち込むのは温かみに欠けてしまう。テレビのコメンテ…

第45問 閑話休題

オフレコの話。フェイスブックの私の投稿のコメント欄は簡単に言って、サンドバックだ。基本的にみんなが言いたいことを書いていく場所のような気がする。加えて名前が出ているから、こっちもブログで書くほど威勢のいいことが言えない。どれもこれもありが…

第44問 病院

今日私は病院にいた。特に自分の用ではなくて、人の見舞いに行った。病院というところは、健全な人間には本当に悪い意味で刺激的である。早く帰りたくなるようなそういう空間だ。若い人の経験とかそういうものに置換されるような場所とは違って、そうでない…

第43問 着せ替え

我々の世代は他の世代に比べれば圧倒的に母数が少ない。これは個性重視の風潮と相まって、我々の可能性は無限大に広がっている。すなわち、他の世代で半ば自虐的に言われる「量産」の気質はどこか我々の世代には無関係の話のように思われるのである。しかし…

第42問 Undoing

This is the first time for me to submit an article in English. This is just an experiment. So if you or I feel something wrong about it, I will soon quit this try. I hope this time is able to be accepted by my following readers.Maybe in th…

第41問 我々を語るものは何か

今日は少し根本的な話でもしようか。題目を勘違いしないことが、ここから先の私の評論を聞くことでは大事なので是非気をつけてほしい。「我々が語るもの」については今回は論じることはない。「我々【を】語るもの」について論じたいのである。私は無謀にこ…

第40問 ゲーム

今回書かれる文章は全てが嘘である。虚言である。私のつく嘘に、今日はお付き合い頂きたい。朝。私はいつも通り自分の部屋の布団の上で目を覚ました。台風一過の朝。気圧の変化はあったはずだけれど、何故か私の頭や体調はなんら変わりなくかえって、その晴…

第39問 一般とのズレ

変人タイプの友達と話す時のことである。そういう時私たちはいかにして馬鹿げた事を話すかということに躍起になって、どうしようもない議論をする。もはやそれは議論ではなく、井戸端会議とか巷説にすらもならないような、本当にどうしようもない話をするの…

第38問 保守化

日本を含む世界は、今日ますます保守化へと歩みを進めている。旧来的な政治哲学の限界が訪れているように感じる。エリートの感覚と中産階級の感覚とがずれ、エリートの政治哲学は無力となり、国家に「経営」の理念が浸透しようとしている。平和を尊重しよう…

第37問 世評

昨日狂気的な殺人事件が起きた。それを巡る私の目から見た日本社会と、メディアについて幾つか書残す。犯人は障害者施設を襲い、重度障害と見られる人間20人近くをナイフで殺害した。殺害後、犯人は出頭した。供述の中で犯人は、「障害者を殺さなくてはいけ…

第36問 二面性の統合

昨日、今日と実感する自分の変化について少し書いておく。今まで私という人間について、私自身違和感を感じていた部分がある。それは自分に対する自分と他人に対する自分が明らかに別のものであったということである。素直に告白すれば、人前での自分と、自…

第35問 当たり前のこと

一学期ももう終わりに近づいている。近頃の夕焼けを私は見ていない。去年も今年も太陽が橙色になって、その日最後の輝きを見せるその瞬間を見ていない。筆を動かし、頭を巡らしている間に真上にあった太陽はいつの間にか姿を隠す。どうにも自分の気が狂いそ…

第34問 倫理の濫用

舛添氏の件について書きたくなったので書きたいと思う。率直に言って舛添氏をやめさせることは何の意義もないと思う。彼の振る舞いについて道義的責任が強く問われているが、私はこのメディアの姿勢には疑問しか浮かばないし、呆れかえっている。ご存知の通…

第33問 世評

多くを語れるほど知識の貯金はありふれていないから、雑感を述べる。http://m.huffpost.com/jp/entry/10420048?ncid=fcbklnkjphpmg00000001このニュースに限ったことではないけれど、幼稚園が近くにできるなんて明るくていいニュースじゃないかと私なんかは…

第32問 自己貫徹性

最近思うのは、自分が1年前、2年前の自分と同じなのかということである。すっかり自分は自分でなくなっているし、自分はしっかり自分のままである。周りの環境が自己を決定するという考えには根本的な誤りがあるような気がする。しかし環境を環境として意識…

第31問 責任の所在 判断の拠所

浪人生として生きる中で、非浪人生即ち高校生大学生大人が涎を垂らして待ち構えているトピックがあったので今回はそのことを書きたい。友達が増えていく中、友達の友達の不幸というか、挫折をこのところ度々と聞く。それは同じ人物についてのこともあるし、…