第167問 一休み

ヨーロッパを回って、祖母の通夜を逃して、日本に帰国して、祖母の告別式に参加して、親友との卒業旅行をこなし、家に帰ってきた。 ここ1,2日寝ても寝ても疲れがとれない。 日中も少し疲れると眠り込んでしまうし、かなり自分の精神的な限界の寸前だったよう…

第166問 気の緩み

本来なら僕は今頃自宅に帰っていて、早朝に家を出発して祖母の告別式に参加しているはずだった。 しかし、僕は今中国上海に滞在している。 そう、上海にいる愛人に会いに行くことに決めたのだ。 というわけではなく、トランジットで飛行機を乗り逃し、上海に…

第165問 C’est la vie

さっき叔父から電話があってお婆さんが亡くなったらしい。 デイサービスから帰って来て、1人で風呂に入ろうとして溺れてしまって、浴槽で浮いた状態で亡くなっていたそうだ。 叔父さんも取り乱していて、母とは連絡がつかないので、と僕に連絡をよこして来た…

第164問 小一時間

小一時間眠ろうと言って、うっかり2時間3時間寝てしまうなんてことはたまにある。 今日は僕は絶対それをしてはいけない日だった。なんせ、5時にホテルを出て7時の飛行機に乗らなくてはいけないからだ。 2時半ごろ僕は床について、好きなラジオを聴きながら、…

第163問 パリの雨で

一 ヨーロッパを色々と見て回って、ここ数日の自分はいままで感じたことのない疲れを感じていた。 色々したいことが多すぎて眠る時間が削られてしまうのもあれば、落ち着いた寝床が手に入らないことでしっかり休めないこともあるかもしれない。 国ごとに違う…

第162問 抱きしめられると

かなり前の話。 心も体も美しい人がいる。 あなたは、まっすぐな瞳で僕を見つめ、僕が伝えようとしていることを感じ取ろうとする。 はるばる東京にやってきた彼女にとって僕はどのように見えていたのだろう。 別れるとき、彼女は僕の胸で泣いた。僕は彼女を…

第161問 セダクティブ

1 ロールズの正義論 今、僕はロールズの正義論についてレポートを書かなくてはいけないのだが、今日の午後に大体何を書くべきかの目処を立ててカフェから家に帰ってきてなんだか疲れ切っている。 家に返ってくると電源オフに最近はなってしまって、その癖で…

第160問 涙がこぼれて/家族として

1 昨日は、親の実家にいって、祖母に司法試験合格と新年のご挨拶に行ってきた。 祖父は4年ほど前になくなっていて、墓前に手を合わせに行った。 祖父は自分のことを、この地球で一番僕を応援してくれていた人だった。 「頭だけは誰にも盗まれねえからな」と…

第159問 なんでだっけ

最近、少し浮ついている気がするから、ちゃんと自分を振り返ってみようかなと思う。 なんで浮ついてると思ったかというと、昨日昔入ってたサークルの忘年会に行った。 今度二人で会う予定だった子が、僕らより遅れてやってきて、ちゃんと声をかけてあげられ…

第158問 待つ

今、僕は司法試験の結果発表を待っている。 試験が終わったとき、受かったかもしれないと強く思っていたが、いざ箱を開けてみると不安な点、間違っている点はままあり、その強い自信はかなり減っていった。 試験結果発表前は非常にナーバスな状態で、「はあ…

第157問 伝わって

私は、昨日は昔ながらの、考えようによっては9年、僕らにしっくり来るのは8年、ずっとなんだかんだ一緒に仲良くしている友達と一緒に、私の内定祝いにいった。 カジュアルな回らないお寿司という感じで、奢られる申し訳無さもほどほどで、でも味はかなりいい…

第156問 自分と他人

最近よく思うのは、他人は他人なのだということだ。 どうしてこんなことになっちゃってるのだろうと、他人の人生を傍観してよく思うようになった。 とある知人は適応障害になって仕事を休職し、またとある知人は長年付き合った恋人と別れてタイ料理屋で口説…

第155問 知らない幸せ/知る幸せ

知らないからこそ、守られている幸せがあるように思える。 一方で、知ることで得られる幸せがあるように思える。 どちらの方が幸せなのだろうか。 例えば、一人の女の子について深く関わらず、利害の一致だけを追及するのはそれはそれで心地がいい。 一方で…

第154問 心に刺さる棘

怒涛のインターン期間が終わり、内定も得て、私の就活も終わった。 行く先は一応日経新聞の顧客投票とかだと業界五番手の事務所ではあるが、五大とか四大という事務所ではない事務所だ。 相性の合う素敵な事務所に巡り会えて本当によかった。 嬉しいニュース…

第153問 新章

今、僕は広尾にある広い公園のベンチで涼をとっている。 暑さがここ数日ひと段落してきて一気に過ごしやすくなったので、休日はよく歩き回っている。 さっきまで一緒に東北を回った友達と一緒にいた。彼は数日後にスペインへ飛ぶ。 新しい挑戦をする彼とはい…

第152問 愛の復活/東北に横たわるもの

3日間に渡る東北旅行が終わろうとしている。 僕は今盛岡駅でパソコンを開き、楽しかった時間を振り返っている。 この東北旅行は、もともと僕の後輩の女の子が飲みの場で提案してくれて、僕と親友が彼女の出身地である秋田に行くという話から始まった。 とこ…

第151問 潮時

少し前、親友と話していてこんな相談をされた。 いつしか自分の彼女に、自分にあったいい出来事の話をできなくなった。 海外で経験してきたこと、勉強する中で学んだことを伝えることができなくなって、自分の幸せを分かち合うことができないように感じるよ…

第150問 20230815

今日、飲みに行く約束の前に、手持ちのビーチサンダルの底が歩きすぎて4、5個の全てが擦り切れて穴が空いているので、100円ショップに買いに行こうと家を出た。 ここ数日はタフそのもので、インターンをして会食をして面談をして、というのをぶっ通しでやり…

第149問 20230730

なんだか、すごく辛い朝だった。 昨日、みんなで遊んだ帰り際から僕はすごく嫌な気持ちで、そのあと親友と二人で街をあるきまわってじゃあね、と笑顔でお別れしても、ずっと僕の心は不快だった。 寝る寸前に後輩の素敵な言葉を読んで嬉しくなったけど、結局…

第148問 懐かしさ

最近、朝に起きて家で勉強していると、とても懐かしい気持ちになった。 自分の部屋からした香りと窓から差し込む朝陽の眩しさと温かさで、僕は中学と高校時代をふと思い出した。 僕の中高時代は、ひたすらテニスに明け暮れる日々だった。 朝から晩までずっと…

第147問 まとも

昨日の夜に友達と新宿で飲んでから、今日は気だるく起きた。 なぜか全然勉強に手がつかなくて、というか手をつけたいとすら思わなくて。 ここ1,2週間追い込みすぎたなと思って、むしろ落ち着いた。 必要なことをやっていればいいんだと逆に冷静なのかもしれ…

第146問 Is it a crime?

最近ハマっているというか、新しくて聴いてる歌がある。 No Guidanceというグループの"Is it a crime?"という歌で、一度Instagramのリールで見かけていい歌だなあと思っていたら、そのリールがきっかけでメジャーデビューを果たしたらしい。 人生というのは…

第145問 死闘

この一週間は激しい戦いだった。 毎日試験と試験への準備を繰り返して、ほぼ全科目の総復習をしていた。 準備→試験→準備→試験→準備→試験→準備→試験 準備と言うものの、司法試験の過去問を解いていたし、問題集の問題を解いていた。 結果としてはひとつしくじ…

第144問 自律の幻想/愛

久しぶりに会う友達たちと、昼下がりからお酒を飲むことにした。 ふたりとももう社会人4年目に突入していて、僕はもはや学生身分を開き直って楽しむことができた。 社会人を長くやっている同世代は、「勉強を続けるのは偉いよ」と社交辞令をするのが通例であ…

第143問 瞳の配分

一人でお店でご飯を食べていたら、四人組の男女がやってきて、楽しく喋っている。 うち一人、可愛い女の子がいた。 可愛いというのはいわゆる可愛いというのではなく、僕にとって可愛いという感じで、目がきれいで人からすれば怖い目をしていると言われそう…

第142問 晴れ間

やっと家の停電が終わってストレスから少し解放された。 できあがっていた勉強や生活のルーティンを邪魔されるのはかなりストレスだった。 人に自慢できるほど規則正しい生活をしているわけではないけれど、自分なりのメリハリをつけた生活をしていたから、…

第141問 夢うつつ

昨日はあたかも夢を見ているかのような気持ちだった。 朝起きてすぐ憲法の短答問題を100~200題ほど解いて、気づけば午後になっていた。 それから最近ずっと考えている国籍法違憲判決における違憲判断枠組みと立法不作為の国賠違法となる議論を確認して、関連…

第140問 沈んだ夕陽

今日は珍しくあまり筆が進まない日だった。 理由は簡単で、憲法で覚えなくてはいけない規範があまりに長くて、気だるくてやる気が削がれてしまったのだ。 国民の選挙権が立法によって制限される場合に、かかる法律が許されるかという議論で、大切な判例があ…

第139問 谷間の世代/不運の中の幸運

谷間の世代 昨日、会食した事務所の先生が、ローの僕らの代をそんなふうに表現していた。 たしかに僕らの学年は不運というか、困難にぶち当たっている。 ひとつに、僕らの代から大学院在学中受験ができるようになって、今年の合格者の席を奪い合うのは、僕ら…

第138問 レンズ

全く同じものなのに、この人が話したり紹介してると興味が湧くなあという人がいる。 その人の瞳のレンズを通すと、世界そのものが美しくなるような、そんな感覚を与える人だ。 とても数としては少ないと思う。 友達の中でトレンドを作っていくような人だ。 …