2017-01-01から1年間の記事一覧

第59問 半生を共に

実はここ何日かの間に悲しい別れがあった。 それが訪れてから私はずっと平気な気がしていた。正確に言えば、あまりにそれが唐突で、脳がその現実を受け入れられていなかったのであろう。何かが麻痺したように、漠然と時間が私の耳の横を流れていたのだと思う…

第58問 血

人間は何でできているのかと考えてみると、特に思いつくのは、血と骨と肉だと思う。 怪我をするとき、とりわけ私たちはこのことをよく感じる。普段肌に隠された血や肉や骨が痛み、自分の眼の前に現れるのだ。先日友達と話した時、自傷行動について語ることが…

第57問 肌と嘘

私は法学徒としていくつか法学の基礎たる理論の部分に対して違和感を持っている。最近ホッブズを読むけれど、ホッブズからロックを経てルソーに至る流れの中で一つの基調となるのは、いわゆる「社会契約論」というやつで私はこいつがどうしても1年2年前ぐら…

第56問 人を愛するということ

色々なことを見聞きしたので、すこし書こうかなと思った。あの人に読んでほしいけれど、今は無理そうか。 人を愛するというのは、どういうことなんだろうか。それは愛し合うということではない。あくまで自己本位な問題として捉えたい。 自分のことを深く理…

第55問 言葉が流れない

最近のとある政治家のニュース。 ICレコーダーが使われたそうだ。 SNSでの発言も今じゃスクリーンショットに保存されるし、消さないと消えない。 どこかにずっと残ってしまう。 これは写真が我々の目に焼き付いた光景と違うものを見せてくるように、我々の脳…

第54問 お前が嫌いだよ

人間にとって大切なものの優劣を考えてみると、一つの区分として人とものとことの三つに大別することができる。 今回はその「こと」に密着して物事を考えたい。 なぜこんなことをいきなり書き始めたかというと、今あるアイドルの結婚発表が物議を醸している…

第53問 過渡期

今の私ははっきり言って過渡期だ。爆発的に自分の中の何かが変わろうとしているのを感じる。獰猛な何かが蠢いている。人間に対する拒絶感がバカになっている感じである。器の口を無理やり広げられている。色んなものが自分の体の中に入り込んでくる。漠然と…

第52問 個別具体への諦念

大学生活が始まり、殊更に感じるのは人間というのは多様であるように見えるということだ。本当に千差万別というのは文字通りで、真実なように感じられる。ただ高校時代の彼や彼らが時に昔の面影を残し、時に踏み潰すのをこの目で耳で感じる時、その多様性と…

第51問 旅を終えて

一人旅を終えた。長いようで本当にあっという間だった。分かったことがある。それはある程度自分は成長してきているということである。幹が確実に太くなったのだという実感がした。浪人という一年がくれた、私へのプレゼントだろう。漫然に、何となくに、じ…

終わったら読みたい本

谷崎潤一郎 春琴抄島崎藤村 夜明け前安部公房 砂の女三島由紀夫 豊饒の海夏目漱石 明暗志賀直哉 暗夜行路二葉亭四迷 浮雲坪内逍遥 小説真髄谷崎潤一郎 細雪武田泰淳 富士中上健次 枯木灘大江健三郎 レインツリーを聴く女たちドストエフスキー 罪と罰マーガレ…