第164問 小一時間

小一時間眠ろうと言って、うっかり2時間3時間寝てしまうなんてことはたまにある。

今日は僕は絶対それをしてはいけない日だった。なんせ、5時にホテルを出て7時の飛行機に乗らなくてはいけないからだ。

2時半ごろ僕は床について、好きなラジオを聴きながら、うとうとした。大量の目覚ましを設定して、一眠りした。

目が覚めれば3時半。完璧な一眠りだった。

 

そんな広げてもいないキャリーバックから必要なものを出し入れして、意識朦朧としてシャワーを浴びた。

熱いお湯はどの国でも信用できる。

 

一通りの準備を終えて、僕は彼女からのラインを見た。一眠りする前に電話しようかなと思ってたけど、寝ぼけて電話するのもなんだしなと、やめたのだった。

イタリアへ来る準備を済ませた彼女はいつも通り優しいメッセージで、僕は旅の疲れがどこか癒される気がした。

結局シャトルバスを待っているときに電話をかけていた。

 

優しくてあったかい声が大好きだ。

フランクフルトで電話してから聞いてなかったから、体が欲してた。

今までなんど好きだよって言ったかな。

 

一番時間が過ぎるのがあっという間な人。

どれだけ時間があっても足りない。

 

シャトルバスを待つ間も、乗っている間も、1人でいたら何だか長く感じる時間が、電話してるだけで本当にあっというまだった。

 

君が話してくれたこと。会うたびに僕はノートに書き残してる。

好きな食べ物のリスト、毎回増えてく。

日本を出る前にくれた大好きだよのラインを見ても、フランクフルトでしてくれたあげたお花がまだ咲いてるよって話も、前のお別れ際僕を改札前まで見送りに来てくれた時も、僕は君にいえないけど泣いてる。

 

僕は君が僕のことを好きでいてくれるのを感じるとき、涙が出ちゃうんだ。

君の思いは色々遠回りの人生を歩んできた僕には、耐えられないぐらいの幸せです。

そばにいてくれるのがあなたでよかった。

 

オルリー空港でまた君を思って泣いてる。

不思議がられるからいい加減にしなくっちゃ。