第103問 平穏を求めて

平和な時間、平穏な時間を求めて生きている。

今は、刺激はうんざりで、そういうものに憧れられるほど、自分はきれいでもない。正攻法で、誠実なものを求めている。素直な謝辞、真っ直ぐな言葉、真っ直ぐな態度。それ以外のものは飾りだ。

誰かの心は人生で拾った名札のない小手技をパフォームする舞台じゃない。

心はくだらない化粧で触れるような安物じゃない。誰かにそのやり方が通じた気がしたからといって味をしめて、心と関わろうとしないで。

下になりたくない、上に立ちたい、そういう気持ちにはもううんざりなんだ。若すぎるし、愚かだ。何も知らないから、正しそうで優越的で、自分の心をくすぐるような言葉を探し歩いているから、そういう気持ちに目覚めてしまうんだよ。

それぞれに宿る価値観に貴賤はなくても、美的感性と育つ優しさ温かさはごまかせない。

なにより、人間の不完全さにいまだにうんざりする自分自身が一番幼いのだ。いつまでも現実を否定するいとぐちを探してる。こういうのともそろそろお別れしなくちゃ。

願いは、ただひどい感性のそばにいたくない、それだけなんだ。この願いと宿る感覚は絶対だれにも汚せない。静かな海ほど美しいものはない。

“You must not lose faith in humanity. Humanity is like an ocean; if a few drops of the ocean are dirty, the ocean does not become dirty.” ― Mahatma Gandhi