第129問 Long Relationship Ends in the End

Long Relationship、それも狭義のrelationshipについて、自分なりの考えがそれなりに固まってきた。

その一部を簡単に書き記しておこうと思う。

 

一 終わればいい

 

人と話す中で、こういう価値観の人は少なくないように思う。

Long Relationship is better than short one.

僕も、これにしばらくの間、同意していた。

演繹的に考えれば、長く人と付き合うことは良いことのように思うからだ。

もしくは、誰か長い付き合いのパートナーがいることで、人に長いこと愛されることができる魅力を示すことのように思えるからかもしれない。

 

ただ、近時の僕は全くこの意見には賛成できなくて、良いも悪いもないと思うようになった。

むしろ、長く人と付き合う人は、かえって寛容さに欠けることや価値観が狭いことも多い。自分の付き合っている人が基準になるから、その人との優劣が気になるようになるのだろう。

付き合っている期間に対してこだわりが出てきてしまって、その期間自体を人と比べ合うようになっている人さえもいる。

人によっては、付き合っていなかった時期を付き合っていたことにして計算して、「僕たち/私達は、◯年一緒にいるから...」とかさ増ししたLong Relationshipを自慢するような人もいる。

「あれ、その間の1年ぐらい別れてなかった?」とツッコミさえいれさせてもらえないような...

 

結論としては、人による、としか言いようがないものだけれど、長く付き合っているから必ずしも良いわけではなくて、むしろ若いうちにわざわざお互いを拘束し合うほどの関係になる必要はかならずしもないというのが最近思うことである。

自分の優先したいものを自由に優先し、来たるべきときに、愛すべき人を全力で愛せればいいのだ。

 

最近とある友達に相談された、いくつかの話。

 

ある友人は、もう付き合って4,5年になる彼女を傍らに、初めて恋心を感じる別の人と出会ったらしい。

そのときは、友人としての振る舞いを考え、「どんな選択でもいいと思う」と言った。でも、長く付き合っている人と別れるもったいなさや、長く付き合っていることのいわゆる"良さ"にかんがみて、「今の人と一緒にいるといいんじゃない」と付け加えた。

 

ある友達は、付き合って3,4年になる遠距離の彼氏がいるらしく、不満を口にしていた。

数週間に一回は小さいことで喧嘩になり、そのときに彼氏はいつも「自分が全部悪かった」となげやりになるらしい。

そのときは、喧嘩して、嫌な点を指摘して、改善してくれるのであれば、話を聞いてくれているんだと思うよ、と慰めた。

 

ふと冷静になると、本当のところ、僕はそうは思っていない部分もあるなとも感じる。

長く付き合うことも、遠距離で付き合うことも、あまりいいことではないかもしれない、と近頃は思う。

本人たちが幸せならそれで、とはなにより思うが、いろいろなチャンスを逃すことにはなるからだ。

 

どう生きていても、本当に一緒にいたいと思う人と、いつか一緒になれる。

もしかしたら、もう好きな気持ちはないのかもしれない、と自分に問うてみることも、またいいことだと僕は思うのだ。

浮気をしたりして、裏切るよりはいいことだ。

無理に好きな気持ちをあるものとする必要はない。

 

好きな気持ちはもうないんだ、も一つの素敵な終わり方だと思う。

 

 

二 なぜ続くのだろう

 

一方で、なぜ長い関係が続くのかも、自分にとっては興味深い。

長く付き合うことがいい、から長く付き合えるわけではない。

2,3年以上も続く関係の裏にあるものはなんだろう。

 

「花束みたいな恋をした」という映画を見た。

この映画には花束は出てこないが、このようなタイトルだ。

なぜ「花束みたいな」というのかというと。

花には名前があり、その名を知ると相手のことが忘れられなくなるということを主人公たちが話すシーンが有る。

そのシーンでは、カップルの女性役の有村架純は結局花の名前を教えない。

しかし、花ではなくても、主人公たち二人が分かち合ったものの名前は溢れている。

本にしても、作家にしても、訪れた街、場所、食べたもの、どれもが花の名のように、二人の心に残っているのだ。

だから、花束、なのかな、と思っている。

 

物語上、結局broke upしてしまう二人だが、4,5年近く付き合っていた。

二人は多くの趣味で重なり、それに感動し、多くの幸せを分かち合ったのだ。

 

長く付き合うのってどうすればいいのだろうか。

色々と諦めないことは大事だと思うが、何を理由にして人は長く付き合うのだろう。

ここ数年で、それに気づくことができたらいいなと思ったりしている。