昨日はあたかも夢を見ているかのような気持ちだった。
朝起きてすぐ憲法の短答問題を100~200題ほど解いて、気づけば午後になっていた。
それから最近ずっと考えている国籍法違憲判決における違憲判断枠組みと立法不作為の国賠違法となる議論を確認して、関連する判例を読んで、これらの判例の重要性を考えていた。
なんだか考えすぎて血がのぼった。
カフェで勉強でもしようかと電車に乗って、少し離れた駅のカフェへ行こうと思った。
でも、ずっと頭がぼんやりしていて、ふわふわした感情でいっぱいだった。
その店に入るために電車に乗ってやってきたのに、扉を前にして一切入る気がなくなってしまい、そこから少し歩いて商業施設のベンチに座って、別の猿払事件判決という憲法判例を読んだ。
そこでは、おばさんがビールを飲んでくつろいでいて、僕が判例集やら択一六法を開いていろいろと考え事をしだすと、自分の休日を邪魔されたかのような感じで落ち着きなく周りを見回すようになった。
僕は、そのおばさんの落ち着きのない様子に気づいたが、このおばさんに自分の集中は邪魔させまいと思って尚一層集中し始めた。
おばさんはとうとう勢いよくお酒を飲み干して、どこかへ行ってしまった。
それから僕は適用違憲と処分違憲という違憲判断の仕組みの違いがまたわからなくなって、インターネットで色々と調べた。
まあこれらの違いは正直な話大きな問題ではなく、言ってしまえば法律が合憲だとして、その法律を行政府が解釈適用して当事者に使ったことが違憲だという話と、その法律に基づいて裁量権を行使することが違憲だというちょっと次元の違う話だということに落ち着き、そもそも学者も学生も実務家もこの違いを真剣に考えている人はあまりいないのだとわかって、落ち着いたのだった。
色々と考えすぎて、ふらふら歩き出した。
というか選挙権関連判例が面白いのだ。
それで色々考えすぎていると、いつのまにか僕は無印良品で靴下を眺めていた。
ぼやぼやしながらも流石に今日の自分はどこかおかしいと感じて、元気づけなくてはいけないなと思った。
それでここ最近ずっと食べたかったラーメンを二駅分くらい歩いて食べに行くことにした。
ここのところ風邪気味だったのが、熱がやっと引いた感じというか、あたまがボワッとする感じがして、心地よく酒に酔ったのと近いような感覚でフラフラ幹線道路沿いを歩き続けた。
昨日の月は非常に大きかった。
大きく黄金に光る月が見えたとき、今日僕は一日中夢を見ているような気分になった。
こんな気分になったのは初めてで不思議な感じだった。
ラーメン屋のある駅につくと、風がとんでもなく強く吹いていて、耳にしていたワイヤレスイヤフォンが飛んでいきそうになった。
ぎゅっとイヤフォンを耳に押し込んで、現金が手持ちにないことに気づいて、銀行へ駆け込んだ。
勉強をしすぎて、銀行でATMでの引き出しをするたびに、建物侵入罪や詐欺罪、電子計算機使用詐欺罪、窃盗罪が思い浮かぶようになった。正直な話、末期症状だと思う。
未遂犯どころか、不能犯すら思い浮かぶ。横領罪の払戻権限すら論点として思い浮かぶ。
覚醒しているのか、ぼーっとしているのかもはや自分にはわからない。
いくらか引き出して、ラーメン屋に入った。
家系ラーメンはすごい。
650円で、ご飯おかわりし放題で、美味しくて味の濃いラーメンが食べられるのだ。
お金がないときはもっと積極的にお世話になっていいかもしれないと思った。
ご飯はどうしますかと言われ、大盛りでと答えたところ、とんでもない量のお椀一杯のご飯が出てきた。
いつもの俺ならこれは食べられないと思ったが、昨日はなんだか根源的な空漠感情が心を覆いっていたから、なんのきなしに食べた。
ラーメンが出てきて美味しく食べた。
途中で味に飽きてきたから、にんにくをいれた。
入れすぎた、と最初は思ったが、何回か口に運んだら、慣れた。
それからお酢をたくさんかけて、さっぱりと全部平らげた。
ラーメンに酢を入れ始めた人は天才だと思う。
いつのまにか僕は苦いものや酸っぱいものが好きになった。
大好きというわけではないが、抵抗感がほとんどない。
ビールが飲めない女がよくいるが、あれは本当に損をしているとよく思う。
パフェを食べている場合じゃないし、インスタでフレックスしている場合じゃない。
ビールやコーヒーを美味しく飲めるようになってから、大人ぶってほしいものだ。
僕は餃子も断然酢派だ。醤油も入れるけど、少しだけ。
ここ数日は、自分の家一帯がずっと部分的に停電状態で、いつもどおりの生活が送れずにいる。
そのストレスなのか、試験前のよくわからない興奮状態なのか、もはやよくわからないが、自分が落ち着いた状態ではないことを、ここにこうして文章を書いて改めて実感した。
精神の安定を保って、毎日健康でいたいと思う。