第98問 とある年の暮れに

ふと君のことを思う。

 

帰りの電車で僕を見つめた君の瞳のことを思う。

君を慰めたときの君の流した涙を思う。

君を愛でたときの君の緩んだ唇を思う。

 

君と一緒にいると、自分の気持ちに気づく。

君と一緒にいられないときに、不意に高まった自分の思いが落ち着いていくのに気づく。

君のことを人間として好きになっていく自分に気づく。

 

こだわりはないけれど、幸せな形で一緒にいられたらいい。

君が僕のために、電車を乗り過ごすとき、本当は涙が出るくらい幸せだ。

 

僕が君の手を握るときや君のことを見つめるとき、同じぐらい温かいものが君を包んでいてくれることを願ってる。

君の幸せを願ってる。